COLMUN4
SUSTAINABILITY
エシカル・サスティナブルファッションという動きは今後もっと注目され無視することは出来なくなると思います。この動きは様々なレベルで展開され、「メーカーが生産及び販売工程における無駄を無くす」という基本的なことから「52週間新品の服を購入しない」といった消費者による運動まであります。もっとも大事なことは、大量生産・大量消費に基づく企業活動が劣悪な就労環境を作り出し、多くの資源を無駄に利用し、環境への負担を増加させている点です。
さてここで我々のような小さな業態の事業者や一般の消費者が手軽に始められる一歩はあるのでしょうか?大量に作らない、無駄に消費しない、リメイクしたりお直しして長く着る、考えていくとたくさんありそうです。でももっと簡単で手軽な方法があります・・・たぶん。それは気に入ったものを買ってよく着るということ。もちろん最初はお出かけ用でたまに着る程度かもしれない。でも半年経ったら3日おきくらいに着てどんどん使う。気付いたら毎日着てるとか最高です。日々、服を着て過ごしているのでその時間を気に入ったもので埋めていくと毎日が少し楽しいはずです。(生きる、生活するということにおいてこれは結構重要なポイントなのではないかと思っています。)相棒の様に付き合ってくれる服っていいですよね。年齢や体型なども含めて自分の変化を受け止めてくれる時もあれば、服が自分に寄り添ってくれるように感じることもあります。ただ、それはくたびれる前段階に訪れて、ああ良いなって思う期間は割りと短いようにも思います。
そうしてたくさん着ると少しずつ服の顔つきが変わってきます。色が褪せたり、自分の体型に沿ったシワがついたり、伸びたり、縮んだり、擦れたり・・・いわゆる経年変化です。(因みに経年変化は劣化とは完全なイコールではなく、劣化は機能が低下して使用に問題が出てくる状態だと認識しています。)そこで、変わっていくことを念頭に置いて長いスパンで考えると服との付き合い方が変わって、ああ良いなって思う瞬間が度々訪れるようになります。色褪せてやわらかい印象になったな、実際に生地が柔らかくなって着やすくなったかも、染め直したり繕って愛着が増したり。また、ヘタったら部屋着にする以外にも近所着・作業着・エプロン代わり・庭仕事などなど役割を変えて長く着ることもできます。クタクタだけど着心地最高の服になっていく可能性がありますよね。そうして気に入ったものだけをいつも身につけることでその人のスタイルが出来上がる。ひとつの理想論ですけれど目指してみてもいいかなと。そういうことが服以外の部分でも増えていくと結果的にエコな状態に向かっていけるのではないかと思うのです。そしてもっと大きなことを言えば、クラフトというのはそういう面においてすごく大きな可能性と影響力を秘めているのではないかとボンヤリと思っているのでありました。
あ、もちろん定期的に新しいものを買ってください、お願いします。欲しいの一念でコレクションしておきたいようなものもありますしね。